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TPPで話題!「混合診療」が解禁されるとどうなるの?

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2014年2月14日 更新

TPPで話題!「混合診療」が解禁されるとどうなるの?

環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉は、参加各国の意見が対立し、目標とされていた2013年内の妥結が見送られました。TPPは複数の分野を対象にしていますが、そのうちもっとも注目を集めているトピックのひとつが「混合診療」です。では、混合診療とは何なのでしょうか? また、解禁されると、私たちにはどんな影響があるのでしょうか?

TPPで議題に上がっている「混合診療」とは?

「混合診療」とは、公的な健康保険制度の対象となる治療法と、対象とならない治療法を併用することです。日本の健康保険制度では、厚生労働大臣が保険の対象となる治療、薬、材料の範囲を限定し、その価格を決定しています。一方で、健康保険の対象にならない診療は、「自由診療」と呼ばれます。基本的に医療機関が価格を決定し、患者は全額を自己負担します。

混合診療が行われると、健康保険が適用される診療については3割負担、適用されない診療については、全額を自己負担することになります。しかし現在は、混合診療は禁止されています。ひとつの疾病について、一部でも自由診療を受けた場合には、初診に遡ってすべてが自由診療とみなされ、医療費は全額が自己負担になります。

ただし例外として、入院をした時の差額ベッド代や、新しい高度・先進医療を受けた時の医療費などは、保険診療との併用が認められています。

混合診療が解禁されると私たちにとって一見有利になる

TPPの交渉では、医療分野について「混合診療の解禁」が議題に挙がっています。混合診療が解禁されると、保険適用の診療と適用外の診療を同時に受けることができるようになります。

医療費の負担も、3割負担と全額自己負担の部分が混在することになります。一部でも保険適用外の診療を受ければ、同じ疾病についての医療費がすべて自己負担になる現行の制度に比べると、患者が負担する医療費は小さくなります。一見すると、私たちにとって有利になるように見えます。

実は混合診療の解禁は私たちに不利?

しかし、混合診療の解禁は、長期的には私たちにとって負担増になるリスクもあるのです。 なぜなら、現時点で保険適用外の診療の中には、将来保険適用になる可能性のある診療もあるからです。新しい診療や薬は、安全性や有効性が確認されるまでは、保険の適用がされませんが、効果が認められれば保険適用の対象となります。そうすると、医療費も全額自己負担から、3割負担に下がることになります。

ところが、混合診療が解禁されると、新しい診療の安全性や有効性を確認し、保険適用へ移行する動きが鈍くなってしまうことが考えられます。すると、新しい診療にいつまでも保険が適用されません。保険適用として患者の負担は3割であるべき医療を受けても、永久に全額自己負担しなければならない、ということにもなりかねません。ですから、TPPで混合診療が解禁されると、当初は現行よりも有利に見えますが、長期的にみると私たちにとって不利になるリスクがあるのです。

日本の公的健康保険は、安全で効果の高い医療を低廉な価格で受けられることを目的としています。TPPにおける混合診療の解禁は、一見すると私たちにとって嬉しいことですが、長期的には健康保険の利点を損なうおそれがあるのです。今後の日本の医療がどのようになるのか、TPPの動向に注目していきましょう。

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